【プレミアムカーデビュー】京阪3000系について解説!

この記事は約12分で読めます。

皆様、こんにちは。

チームネットラボのU5swです。

今回は久々の車両紹介シリーズより、1月31日のダイヤ改正より、座席指定車「プレミアムカー」を連結して営業運行を開始した、京阪3000系について解説していきます!

スポンサーリンク

京阪3000系とは?

前面改造前の3000系。

京阪3000系は、2008年10月19日の京阪中之島線開業と共にデビューした車両で、当時は中之島〜出町柳間を結ぶ「快速急行」の専用車両としてデビューしました(私も開業初日に乗りに行きました)。

現在の3000系は8両編成が6本在籍しており、前面は月をイメージしたカーブを描いた斬新なデザイン、車内の座席には「エクセーヌ」という高級素材を使用した1+2の転換クロスシート(運転室手前の座席は2+2の転換クロスシート)、車端部にロングシートを完備しており、ドアの上には京阪で初となるLCDの案内表示器が搭載されました。ラッシュ時にも最低限対応するため、ドアは3扉となっています。

この他にも、京阪で初となるシングルアームパンタグラフやフルカラーLEDの種別行先表示器、京阪の新たなイメージカラーとして、紺と白の2色に銀の帯を纏った外装から、「コンフォート・サルーン」の愛称が付けられています。

LCD案内表示器

中之島線の象徴として活躍するつもりが…

中之島線の開業後、しばらくは中之島線の象徴として快速急行を中心に活躍していましたが、この活躍は長く続きませんでした。その理由として、

中之島線がガラガラな路線

と化してしまったことが大きな要因です。

開業前の需要予測では1日あたり72000人としていたが、開業後は30000人前後と予測の半分を下回る結果となってしまいました。その理由として、

  • 中之島線の開業で新たに増えた接続路線が渡辺橋の大阪メトロ四ツ橋線のみ(なにわ橋、大江橋はそれぞれ大阪メトロ堺筋線の北浜、大阪メトロ御堂筋線の淀屋橋と同様の接続駅で本線の方がアクセスが良い、中之島は接続路線すらなし)
  • 沿線にはオフィス街がほとんどで、繁華街がない
  • 中之島の再開発に遅れが出ている

ことが挙げられます(ただし、2031年頃の開業が予定されているJRなにわ筋線の開業とともに中之島が接続駅となる予定のため、開業次第ではまた状況が変わるかもしれない)。

以上から、ラッシュ時間帯以外はほぼガラガラとなってしまい、快速急行を走らせるメリットがなくなってしまいました。

よって、開業から3年後の2011年5月28日のダイヤ改正において、快速急行はほとんどの時間帯で運転取りやめとなってしまい、3000系の花形運用が早くも失われることとなってしまいました。

一方で、中之島線開業前以来に、淀屋橋〜出町柳間の特急が毎時6本に戻った(開業当初は特急が4本(+一般車の枚方特急2本)、快速急行2本だった)ことから、3000系は淀屋橋発着の特急運用を中心に活躍の場を移すこととなりました。

京阪特急の代表格である、2扉の2+2クロスシートかつダブルデッカーのついた8000系がフラッグシップトレインとして活躍していますが、3000系も3扉かつ1+2のクロスシートで、8000系より居住性は劣るものの、特急車両として最低限の設備を有しており、加えてラッシュ時には8000系よりも収容力の面で役立つことから、特急で運用しても問題がなかったためこうなりました。

快速特急「洛楽」の定期運行化と共に、前面部が改造される

8000系と共に特急を中心に運行して行きましたが、2012年に京都への観光輸送に特化したノンストップ特急が臨時で運行されるようになりました。

それが快速特急「洛楽」であり、京橋〜七条間途中の停車駅なしというかつての特急を彷彿とさせる列車が誕生しました。お正月や行楽期の臨時便として何回か運行された後、2016年3月のダイヤ改正で土休日のみ定期運行化されることとなりました。その快速特急の運用に3000系が使用されることとなりました。8000系はこの頃プレミアムカー導入のために1両を改造し、その間は7両編成での運行を余儀なくされたことから、3000系が担うこととなりました。

また、特急での運用が中心となったことと快速特急の運用に併せて、3000系の前面部にある改造が施されました。それがこちら。

改造後の京阪3000系。

上の改造前の写真と比べると、前面の扉部分にディスプレイが設置され、車番と京阪ロゴが横にスライドしたことがわかります。

一体この改造は何のために行われたのか?それがこちら。

特急運用時のディスプレイ表示

ディスプレイに、京阪特急のシンボルである鳩マークが表示されるようになりました!

登場当初は特急でなく快速急行用としてデビューした車両が特急用に転用され、かつ8000系に劣らない京阪特急のシンボルを導入するために、このディスプレイが設置されました。

しかもこのディスプレイにはアニメーションが施されており、時々鳩が飛ぶシーンが表示されるなど(画像にはありませんが…)、8000系にはない新鮮さを生み出しました。

しかし、特急運用時の鳩マークだけの表示だけではなく、これが快速特急の運用になると…

快速特急「洛楽」運用時のディスプレイ表示

なんということでしょう…

「洛楽」のディスプレイ表示に、雲を象った装飾灯がついたではありませんか!

まず、「洛楽」という専用のディスプレイ表示があることに当初は驚きました。月をイメージした表示となっており、月をイメージした前面顔の3000系にうまくフィットしています(ちなみに8000系の快速特急運用時は幕のため鳩マークを継続して使用中)。

加えて、窓下部分のスペースには、雲をイメージした装飾灯が表示されています。おそらく、特急と区別をつけて誤乗車を防ぐ目的で設置されたのかなと考えていますが、こんな装飾灯をつけて走行するとは全く想像がつかなかったため、初めてこの表示を見た時は「なんじゃこりゃ!?」と度肝を抜かれました。

中書島を通過する快速特急の動画はこちらから!装飾灯の輝きが際立っています。

そして、8000系に続き、プレミアムカーを連結することに!

8000系のプレミアムカー

そして、2018年に、高級な座席を使用した座席指定サービス「プレミアムカー」を3000系にも導入することが発表されました。2017年8月20日に8000系が従来の1両を改造した上でプレミアムカーのサービスを開始しましたが、このサービスを3000系にも導入し、プレミアムカーに乗ってもらう機会を拡大するためにこの計画が施行されました。

8000系のプレミアムカーと異なる点としては、従来車の改造ではなく完全新造車で導入したことが挙げられます。この理由に関しては何点かあり、

  • 改造に伴う手間を減らすため
  • 改造のために車両の両数を1両減らして運行することによる混雑度上昇を防ぐため
  • 8000系のプレミアムカーにおいて、元々ドアのあった場所の座席の窓割りが合わないことから、車窓を存分に楽しめないという不満を出さないため
  • 3000系自体の車齢が12年と若いため(8000系は登場から30年弱経っていたため改造に踏み切ったと考えられる)

特に、通勤や観光といったあらゆる用途で使用する利用客に上質なサービスを提供する上で、窓割りが合わないのは乗ってていい気はしないと思いますので、その配慮は必要でしょう。また、8000系がドアを片側1つ埋めるだけで済んだのに対し、3000系は倍の片側2つを埋める必要があるため、余計に手間がかかることを考えると、新造は妥当と考えられます。

新造車の搬入、試運転を経て、2021年1月31日のダイヤ改正で、3000系でのプレミアムカーが営業を開始することとなりました!これにより、日中時間帯の特急や快速特急「洛楽」が全てプレミアムカーつきの車両で運転されるようになりました。

一方で、車庫の間合い運用等で普通や区間急行、準急、急行といった種別での運用がなくなり、デビュー当初の花形運用であった快速急行の運用にも就かなくなりました。そして、中之島線の象徴でもあった車両が中之島線に乗り入れることがなくなってしまいました(個人的に、プレミアムカーを締め切った状態で間合い運用に就けば車庫への回送が減って効率よくなるのでは?と思いますが、それは今後の動向に期待)。

まとめ:京阪の運命に振り回されても、主力としてこれからも走り続ける

いかがでしたでしょうか?

今回は京阪3000系について解説しました!

デビュー当初の快速急行用車両から中之島線の不振を受け特急用車両に、そしてディスプレイを取り付けるための前面部の改造、さらにはプレミアムカーの導入と、様々な運命に振り回されつつも役割を全うし続けている京阪3000系。

これからも京阪電車の主力車両として活躍を期待しましょう!

今回はここまでとなります。ご覧いただきましてありがとうございました!

タイトルとURLをコピーしました