【複雑怪奇】大阪環状線の行先、種別を詳しく説明!(2021.2.7更新)

この記事は約13分で読めます。

皆様、こんにちは。

チームネットラボのU5swです!

今回は行先や種別が多く、誤乗車が多発している複雑な大阪環状線を詳しく説明します!

お出かけや出張、旅行で大阪環状線を使う方は是非大阪環状線の特徴を理解してうまく使えるようにしましょう!

スポンサーリンク

大阪環状線とは?

大阪環状線の路線図(JR西日本運行情報アプリより)

大阪環状線は、大阪〜西九条〜新今宮〜天王寺〜鶴橋〜京橋〜大阪という形で大阪市内をぐるぐる回るJR西日本の路線です。1周はおよそ40分で、駅数は19駅となります。西九条駅では新大阪方面に向かう梅田貨物線とUSJ方面に向かうゆめ咲線が、今宮駅および天王寺駅では難波、奈良方面に向かう大和路線(関西本線)が、天王寺駅では和歌山、関空方面に向かう阪和線がそれぞれ分岐しています。

分岐路線が多いせいで余計複雑に。特に内回りは初見殺し!

そんな大阪環状線ですが、ほとんどの方はJR京都線やJR神戸線との乗換駅である大阪駅から利用されると思われます。その大阪駅の環状線ホームに着いて、内回り(1番のりば:西九条、弁天町、新今宮方面)電車の発車案内板を見てみると…

  •    普 通 △1〜8 10:18 西九条・新今宮方面
  •    普 通 △1〜8 10:21 ユニバーサルシティ方面 桜島
  • 関空/紀州路快速 △1〜8 10:24 関西空港・和歌山
  • 大和路快速 △1〜8 10:28 奈良方面 加茂
  •    普 通 △1〜8 10:33 西九条・新今宮方面

なんじゃこりゃ?????

種別はたくさんあるわ… 行先はたくさんあるわ…で「結局どの列車に乗ればいいんだ?」と思う方が多いと思われます。

2016年頃に撮影した大阪駅1番乗り場の発車案内板。昼間時間帯はUSJ方面の直通列車がないとはいえ、これでもわかりにくい…

特に関東に来られた方は、環状の路線として山手線を思い浮かべる方が多いと思いますので、「山手線があれだけシンプルなのに環状線はなんでこんなに複雑なんだ???」と感じるでしょう。

もっとも、山手線は独立した路線であり、京浜東北線や東海道線、東北本線、常磐線、埼京線と言った路線が山手線の横を並走する形で運行されています。となると、大阪環状線は山手線に京浜東北線や埼京線が混ざったような路線であると言えますね。

大阪環状線に乗り入れる種別と車両は主に6パターンに分けられる

そんな複雑な環状線ですが、路線系統や使用車両はほぼ統一されているのでこれさえ覚えてしまえばそこまで難しくはありません。

以下に、環状線に乗り入れるパターンと該当列車を示します。

  1. 大阪環状線をぐるぐる周回する普通列車(323系)
  2. 天王寺or京橋から大阪、西九条を経由しゆめ咲線に直通する普通列車(323系)
  3. 天王寺or京橋から大阪、西九条、天王寺を経由し阪和線に直通する快速列車(223系0,2500番台、225系5000,5100番台)
  4. 天王寺or京橋から大阪、西九条、天王寺を経由し大和路線に直通する快速列車(221系)
  5. 新大阪から梅田貨物線を通り、西九条、天王寺を経由し阪和線に入って関西空港へ向かう関空特急はるか号(271系、281系)
  6. 新大阪から梅田貨物線を通り、西九条、天王寺を経由し阪和線に入って和歌山、南紀方面へ向かう特急くろしお号(283系、287系、289系)

1.大阪環状線をぐるぐる周回する普通列車

単純に、環状線内をぐるぐると走る列車です。全ての駅に停車し、運行本数は1時間あたり4本(15分に1本)です。

使用車両は環状線向けに2016年にデビューした323系8両編成が使用されます(ただし平日朝ラッシュ時間帯は一部221系や223系、225系が入ることもある)。電車に詳しくない方は「シルバーオレンジの車両」で覚えておくことをお勧めします。

なお、8両のうち1両(4号車、大阪駅基準で西九条方から4両目)は、終日女性専用車両となっているので注意が必要です。

大阪環状線の323系

2.天王寺or京橋から大阪、西九条を経由しゆめ咲線に直通する普通列車

西九条駅からゆめ咲線に直通し、USJ、桜島に向かう列車です。USJに行かれる方はよく利用されている列車でしょう。全区間各駅に停車し、運行本数は1時間あたり4本(15分に1本)です。使用車両は1と同様323系8両編成が使用されます。

ゆめ咲線の車両は323系で統一されている

昼間時間帯は運行されない(西九条折り返し)ので注意!

大阪駅12〜15時台に関しては、ゆめ咲線直通列車が運行されません。この時間帯のゆめ咲線の列車は全て西九条〜桜島間のピストン運行となっています。

そのため、安治川口、USJ、桜島へ行かれる方は西九条駅で乗り換えなければなりません。西九条駅には全ての快速、普通列車が停車しますが、スムーズに移動したい場合は大和路快速に乗車するのがベストです。

環状線の普通列車とゆめ咲線直通の普通列車の見分け方

ここまで環状線の普通列車とゆめ咲線直通の普通列車を説明して行きましたが、この2つに共通するのは「使用車両が323系」であることです。323系は共通運用を組んでいるため車体だけでは区別できません。弁天町、新今宮方面へ向かう方、およびゆめ咲線沿線へ向かう方はどこで見分ければ良いのでしょうか?

1番見分けやすいのは行先でしょう。発車案内板や323系の行先表示器で判別が可能です。環状線は「大阪環状線」ゆめ咲線は「ユニバーサルシティ・桜島」と表示しています。

また、JR西日本は路線記号とカラーを導入しているので、323系の種別表示器でも判別が可能です。大阪環状線はO、ゆめ咲線はPが割り当てられているので、文字と色で簡単に判別できるよう工夫が施されています。

この2つに注目して、乗り間違えないようにしましょう。

3.天王寺or京橋から大阪、西九条、天王寺を経由し阪和線に直通する快速列車

天王寺から阪和線に直通し、関西空港、和歌山方面へ向かう列車です。大半の列車が関空/紀州路快速で運行されており、運行本数は1時間あたり4本(15分に1本)です。

快速列車であるため、当然通過駅があります。以下に停車駅を示します。

大阪までの各駅、福島、西九条、弁天町、大正、新今宮、天王寺、堺市、三国ヶ丘、鳳、和泉府中、東岸和田、熊取からの各駅

※朝の一部の紀州路快速(大阪駅平日6:54,7:05発、土休日6:12,7:05発)は熊取以南も通過運転を行う(日根野、和泉砂川、紀伊、六十谷、和歌山に停車)

特に気をつけておきたいのが、環状線内も通過運転を行うことです。大阪から東側は各駅に停まりますが、西側は野田、芦原橋、今宮を通過します(昔は福島、大正も通過していた)。そのため、通過駅に関しては普通列車を利用しましょう(芦原橋、今宮は1、野田は1と2両方に乗車)。

使用車両は223系0,2500番台、225系5000,5100番台の4形式が使用され、全て4+4の8両編成で運行されます。形式は多いですが、車体のカラーが「シルバー藤色」に統一されているので判別は簡単です。

223系2500番台(手前)での運用。
225系5000番台での運用。
225系5100番台での運用。

どっちが関空へ?どっちが和歌山へ?

阪和線直通の快速は関西空港に行く関空快速と和歌山に行く紀州路快速を天王寺、京橋〜日根野間で併結しながら走ります。そのため、関空および和泉砂川、和歌山方面に向かう方は、「自分が何号車に乗っているのか?」を理解しておかなければなりません。

日根野駅での分割。前の車両(1~4号車)が関空快速、乗車している車両(5~8号車)が紀州路快速。

関空快速と紀州路快速の判別方法は「号車番号」で判別します。

関空快速は「1〜4号車(大阪駅基準で西九条側4両)」、紀州路快速は「5〜8号車(大阪駅基準で京橋側4両)」で統一されているので、日根野から先へ行かれる方は是非覚えておきましょう!

どうしても分からない場合はホームの真ん中付近(4号車、5号車付近)で待っておくのがベストです。なお、4号車と5号車の間は通りぬけができないので気をつけておきましょう。

また、深夜時間帯には快速が運行されます。こちらは関空・紀州路快速と同じ停車駅です。

4.天王寺or京橋から大阪、西九条、天王寺を経由し大和路線に直通する快速列車

天王寺から大和路線に直通し、奈良、加茂方面へ向かう列車です。ほとんどの列車が大和路快速として運行されており、運行本数は1時間あたり4本(15分に1本)です。

こちらも快速列車なので、通過駅があります。以下に停車駅を示します。

大阪までの各駅、福島、西九条、弁天町、大正、新今宮、天王寺、久宝寺、王寺からの各駅

関空/紀州路快速同様、環状線内も野田、芦原橋、今宮を通過します。

使用車両は全て221系8両編成(8両貫通と4+4両の2タイプが存在)が使用されます。白い車体茶色のラインが入った車両です。

221系(奈良線の快速で代用)

奈良より先へ行かれる方は注意

大和路快速は1時間あたり4本運転されていますが、その内2本が加茂行き(大阪駅毎時28,58分発)、もう2本が奈良行き(大阪駅13,43分発)となっており、交互に運転されています。そのため、平城山、木津、加茂へは全ての大和路快速が行かないことに気をつけましょう。

ちなみに、平城山、木津に関しては奈良行きで奈良まで行き、終点奈良で奈良線の普通に乗り換えるとたどり着けます。また、木津へは北新地駅からJR東西線、学研都市線を介して木津に行くことも可能です(ただし昼間は区間快速であること、1時間に2本しかないこと、ルートが遠回りであることからあまりお勧めはできない)。加茂と加茂から先柘植、亀山方面に行く場合は加茂行きに乗るしかありません。

平日の朝と夕方以降、土休日の夜間は区間快速として運転

大和路線直通の快速は、上記の時間帯は区間快速として運行されます。大和路快速との違いは、「環状線内は各駅に停まる」ということです。すなわち、野田、芦原橋、今宮の3駅にも停車し、ラッシュの対策を行なっています。使用車両に関しては変わらず221系8両編成が使用されます(ちなみに、阪和線にも環状線各駅停車タイプの直通快速が走っているが、平日朝ラッシュに大阪方面行きのみしか運転しない)。

夕方以降の一部列車は、王寺で分割して別れて運行する列車もある

平日、土休日共に、夕方以降の一部の大和路快速、区間快速は、王寺から和歌山線に乗り入れる列車が存在します。王寺まで併結運転を行い、王寺から奈良方面へ、高田方面へ別れて運行するので、この場合は関空/紀州路快速と同様、「自分が何号車に乗っているのか?」に注意しましょう。

列車は4+4の8両編成で運行し、「1〜4号車(西九条側4両)が奈良方面行き」、「5〜8号車(京橋側4両)が高田方面行き」と決まっているため、王寺から先に行かれる方は乗る前に確かめておきましょう。

併結運転を行う列車は以下の通りです。(大阪駅発、2020年3月現在)

平日(区間快速のみ)
  • 17:57 加茂・五条行き
  • 18:42 奈良・高田行き
  • 19:12 奈良・五条行き
  • 19:27 加茂・高田行き
  • 22:29 加茂・五条行き
土休日(22:29発が区間快速、その他は大和路快速)
  • 17:58 加茂・五条行き
  • 19:13 奈良・五条行き
  • 22:29 加茂・五条行き

ここまでが在来線の説明です。

特急列車に関しては、はるか号くろしお号共に環状線の西九条〜天王寺(実際は新今宮まで)間を走行します。本数ははるか号が1時間あたり2本(2021年現在は大幅に減便)、くろしお号が1時間あたり1本で、全ての列車が天王寺駅に停車します(一部のくろしお号は西九条駅にも停車)。なお、環状線内は運行密度が高いため、通過駅が多いですがゆっくり走行します。

281系はるか号
287系くろしお号

外回りはシンプルな行先

内回りが様々な方面に分かれて行くのに対し、外回りは合流してくるので種別や行先は複雑ではありません。

  • 普 通 △1〜8 10:00 天王寺
  • 普 通 △1〜8 10:03 京橋・鶴橋方面
  • 普 通 △1〜8 10:06 京橋
  • 普 通 △1〜8 10:10 天王寺
  • 普 通 △1〜8 10:15 天王寺

めっちゃシンプルだ…

行先は一部京橋止まりがあるので注意が必要ですが、本数は多いので鶴橋、天王寺方面へは簡単にたどり着けます。

JR西日本は昨年の9月頃より、大阪から京橋、天王寺方面へ向かう関空/紀州路快速、大和路快速について、大阪から各駅に停車することから、大阪到着時に種別を普通に変更する措置がとられています(なお、阪和線の直通快速、大和路線の区間快速は天王寺到着時に種別を普通に変更している)。

一方、内回りに関しては誤乗車を防ぐため、始発が天王寺の場合、「O普通 大阪環状線」の幕で出発し、寺田町に着く前に快速表示に切り替えます。

天王寺駅の大阪環状線ホームに停車している225系5100番台。
天王寺駅を発車してから表示を切り替える。

乗車位置はシンプル化している

201系が環状線から引退し323系に統一されたことで、環状線を走る車両は特急列車を除いて全て3ドア車になりました(以前は奈良車の103、201系が区間快速として環状線に乗り入れたり、逆に環状線の103、201系が区間快速として大和路線に乗り入れたこともあった)。また、大阪駅と京橋駅、鶴橋駅では323系の導入目的の1つでもあった、「ホームドア」が設置されました。

さらに2020年3月のダイヤ改正において、「利用者の1番の悩みの種」だった6両編成の大和路快速がなくなり、全日全列車が8両編成化になったので、どの乗車位置でも目的の列車に乗車することが可能になりました。

このように、過去と比べると乗車位置に関してはシンプルになってきています。

(2021.2.7追記)車内設備の違いから、再び乗車位置を○印と△印の2つに分類することに

323系への統一により、環状線を走る車両が全て3ドアに統一されたことにより、乗車位置を示す記号が全て3ドアを示す△印に統一されていました。

しかし、2021年2月6日より、環状線内を走る車両の設備が2タイプに分かれることから、設備によって区別を行うため、かつて4ドア用として使用されていた○印が復活することとなりました。ただし、来る車両は全て3ドアです。

結論から言うと、「ロングシート、女性専用車両付き(323系)」の車両が来る時は○印で、「クロスシート、車内トイレ付き(221系、223系、225系)」の車両が来る時は△印で表示されることとなりました。

これにより、環状線をあまり使わない方や初めて使う方にとって、どんな車両が来るのかを乗車記号で分類することで判別しやすくなります。駅の自動放送や駅員のアナウンスでも案内はされていますが、全ての利用者に行き届くとは限らないため、足元の乗車位置を分けることでどんな車両が来るのかを区別するため、このような取り組みに至ったと考えます。

ちなみに、トイレ付きの車両については

大阪駅では方面ごとに整列ゾーンを設けている

一方で、様々な行先がある内回りにおいて、大阪駅では、環状線、ゆめ咲線普通(赤、点線の⭕️マーク)阪和線関空快速(青、✈️マーク(乗車位置1〜4のみ))阪和線紀州路快速(黄、🍊マーク(乗車位置5〜8のみ))大和路線大和路快速、区間快速(緑、🦌マーク)の整列ゾーンがホーム上に設けられています。これにより、整列乗車と乗車する列車の判別しやすさを促しています。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回は大阪環状線について詳しく説明しました!

複雑でわかりづらさがありますが、様々な車両が乗り入れてくるので、バラエティに富んだ路線になっています。

環状線に乗られる方は行先、停車駅、乗車位置に気をつけて利用してください!

今回はここまでとなります!ご覧いただきありがとうございました!

タイトルとURLをコピーしました