皆様、こんにちは。
チームネットラボのU5swです。
前回投稿してだいぶ月日が経ちましたが、ダイヤ改正に関するの2回目の記事となります!
前回はJR西日本の改正のメイントピックを取り上げましたが、今回は個人的に気になった改正内容について取り上げていきたいと思います。
今回はわずか1年半で復活したダイヤと列車についてです。
今回は、広島地区のダイヤ改正を取り上げていきます!新幹線に関しては前回説明したので、在来線中心に説明していこうと思います。
広島地区の在来線の改正トピック
- 全日ダイヤを平日ダイヤと土休日ダイヤに再分割(1年半ぶり)
- 土休日昼間に快速「シティライナー」が再復活(1年半ぶり)
- 平日夕方の広島〜五日市間に2往復増発
1. 平日ダイヤと土休日ダイヤに再分割
まず、平日と土休日のダイヤが再分割されることです。一昨年の西日本豪雨から多くの場所が被害を受け、通常のダイヤでは運行できなかったことで、全日同じダイヤにする暫定ダイヤという形をとって運行されています。
懸命な復旧作業によって徐々に復旧し、昨年のダイヤ改正では芸備線を除く全ての路線が通常運行できるようになりましたが、ダイヤは引き続き全日ダイヤが採用され、平日も土休日も全て同じ列車が運行されています。
しかし、次の改正で再び平日と土休日に分けられます。分けられる理由として、
- 芸備線が全線復旧したこと
- 平日と土休日で需要の違いが現れていること
が要因と考えられます。そのため、ご利用に合わせたダイヤで運行して行くことを決めたのでしょう。
2. 快速「シティライナー」が再復活
1で平日ダイヤと土休日ダイヤに分割されることを受けて、2016年3月のダイヤ改正から豪雨災害前まで土休日に運行されていた、快速「シティライナー」が再び復活します。この列車は広島から宮島や岩国方面への観光輸送をメインに運行していた列車で、停車駅を限定し所要時間短縮に務めました。しかし、豪雨災害によって通常のダイヤで運行できないこともあり、復旧後もしばらく運転を見合わせていました。
今回、広島地区全てにおいて復旧の目処が経ったため、めでたく復活という形になりました。
以前のシティライナーとの変更点
運行時間帯は土休日の9〜18時台、運行区間は広島〜岩国間(10時台に西条→岩国間が2本)と、以前のシティライナーと大きな変更点はありません。しかし、1つ異なる点が、広島〜岩国間の停車駅です。
以前の停車駅: 広島、五日市、宮内串戸、宮島口、大野浦、玖波、大竹、和木、岩国
今回の停車駅: 広島、横川、五日市、宮島口、大野浦、玖波、大竹、和木、岩国
ご覧の通り、宮内串戸駅が停車駅から外された代わりに、横川駅に停車するようになります。
(3/20追記:改正で撮影したシティライナーの動画です!)
停車駅が変更されたことについての考察
横川駅は広島市内中心部の北西に位置する、山陽線と可部線が分岐するジャンクションの役割を持つ駅です。JR線以外にも広島電鉄横川線が乗り入れており、原爆ドームや紙屋町、本通といった市内中心部へのアクセスが良い駅となっています(広島駅よりも近い)。
また、バスも多く発車しており、特に広島高速4号線を介し、安佐南区にある広島市立大学や広島修道大学へ通う大学生や、ジアウトレット広島やサンフレッチェ広島の本拠地であるエディオンスタジアム広島へ行くお客さん、そして西風新都へ住まれている方への拠点の駅となっています。
そのため、平日、土休日共に利用者が多く、山陽線と可部線との接続、市内中心部へのアクセスも良好ということから、今回新たにシティライナーの停車駅に加えられたと考えられます。また、広島〜五日市間無停車だと利用しにくく、お客さんもそこまで乗っていなかったことから、横川駅に停める判断をしたと考えられます。
アストラムラインとの乗換駅新白島、市内中心部への西の玄関口西広島、アルパークの最寄りである新井口もそこそこ需要はありますが、おそらく普通と快速の遠近分離を行うため通過になったと考えられます。
一方で通過駅になってしまった宮内串戸駅。この駅は主に広島のベッドタウンとして栄えており、朝に運転される快速通勤ライナーの停車駅でもあります。
1日の平均乗車人員(2017年時点,wikipediaから引用)を他の周辺駅と比較しながら見てみると、
- 廿日市駅 3966人
- 宮内串戸駅 5071人
- 阿品駅 2350人
- 宮島口駅 4604人
であり、なんと宮島口駅よりも乗車人員が多いのです!
そんな、一見需要のある宮内串戸駅ですが、なぜ今回通過となってしまったのでしょうか?
あくまでも私の推測ではありますが、
- 主にラッシュ時間帯に需要があるということから、土休日の昼間時間帯はそこまで利用客がいない
- 快速シティライナーの運行目的が、宮島や岩国方面への観光、速達をメインとしていること
- 駅の近くに広電宮島線の「宮内駅」があり、広電の方が運賃が安いこともあり利用客が分散する
といったことが考えられます。ベッドタウンとしての役割が強い分時間帯において利用客の差が出てしまい、停めてもそこまで乗降客がいないと判断した上での通過になったと考えられます。宮内串戸民からすると不満が大きくなるのは致し方ないですが、土休日昼間でもJRの需要を増やせばまた再考もあるかもしれません(いつになるかはわかりません)。
私見: 18時台まで快速を運転しなくてもいいのでは?
ここから少し私見を挟みます。今回停車駅が変更になった上でシティライナーが復活しますが、個人的に、夕方の時間帯まで運転しなくてもいいのでは?という考えを持っています。
その理由として、先ほどの宮内串戸駅の需要とも関わってきますが、土休日の夕方以降は帰宅をメインとした利用でお客さんが多くなります。そのため、快速停車駅、通過駅関わらず各駅で需要が増えていきます。
ということで、快速の運転は16時台あたりで終了し、夕方時間帯は普通列車の本数を増やせばいいのでは?と考えます。
日中時間帯の普通列車は1時間に4本(およそ15分に1本)運行されていますが、夕方時間帯になると本数が大幅に増えていきます。これは当然、利用客の需要があるから本数が増えています。しかし、改正後の時刻表を見てみると…
なんと、利用客が増える土休日の夕方(17,18時台)でも、普通列車の本数は昼間時間帯に比べてあまり変わっていません。快速停車駅の利用客は特段問題はなさそうですが、問題は快速通過駅です。特に西広島や新井口、先述した宮内串戸の利用客は車内の混雑に対して少し苦しくなるでしょう。事実、広島地区の車両が227系に統一してから、車両の設備や両数に対しても問題が起こっているので、このダイヤが大きな問題にならないことを祈りたいのですが…
ということから、17、18時台は快速なしで普通列車の本数を増やすでも全然構わないと考えます。夕方の宮島に早く行きたいって方たちには文句ありでしょうが、時間帯における各駅の需要を第一に考えた場合、これが妥当かなと考えます。改正以降、どういう傾向が現れるのか、こちらにも注目です。
3. 平日夕方に広島〜五日市間で2往復増発
広島地区でも最も需要の多い山陽線の広島〜五日市間ですが、今回の改正でも普通列車が増発することになりました。
昨年3月のダイヤ改正で、利用客に「列車の本数を増やしてくれ!」という要望を受け(たと思われ)、9月に異例とも言える小規模な改正を行いました。そこで、需要の少ない列車を取り止める代わりに、広島〜五日市間で普通列車を2往復増発しました。
しかし、今回さらに2往復増発されるということは、秋に2往復増発しただけではまだまだ輸送力が足りないということが考えられます。いかにこの区間の需要が多くなっているのかが分かります。
前回の改正では広島発18時台に2本増発されましたが、今回は16時台と19時台に1本ずつ増発されます。16時台は主に学生向け、19時台は通勤向けの増発と考えられます。
今回の増発でどれだけの効果を与えるのかが注目ですね。
その他改正関連
まず、呉線の広〜三原(糸崎)間の普通列車がほぼワンマン化されます。昨年の改正で呉線以東も全て227系に置き変わっています。
227系は昼間の快速安芸路ライナーでワンマン運転を行っているため、これまで105系で行われていたワンマン運転も同時に行われています(ただし、整理券や後乗り前降りのシステムがないので、無人駅でも全てのドアが開くようなワンマン運転システムで運行しています)。しかし、これはほんの一部の列車に過ぎず、大半はツーマン運転で行われています。それがほとんどワンマン運転されるようになり、乗務員さんの業務の効率化を図る模様です。
続いて、尾道方面からの糸崎行きの一部が、三原まで延長されます。これは、三原駅および三原駅から新幹線を利用する方が、糸崎駅で乗り換える手間を省くためです。
新たに三原行きとなる列車はこちらです。
改正前: 尾道18:39発 普通糸崎行き(糸崎18:47着、18:48発糸崎始発の列車に乗り換え、三原18:52着)→こだま号乗継
改正後: 尾道18:39発 普通三原行き(三原18:52着)→こだま号乗継
まとめ
いかがでしたでしょうか?
西日本豪雨によって多くの被害を受けてきた広島地区ですが、完全復活を果たし、ダイヤや列車も元通りに、そして更なる利便性の向上へ進んでいっているのが分かります。
この改正によって更なる沿線の活性化や発展に繋がることを期待しています。
今回は以上となります!見ていただきありがとうございました!