みなさま、こんにちは。
チームネットラボのU5swです。
今回は都心と湘南地区を結ぶライナー列車について説明して行きます!
ライナー列車の詳細
まず、どのようなライナー列車が存在するのかを以下に示します。
- 湘南ライナー(東京、品川〜小田原)
- おはようライナー新宿(小田原→新宿)
- ホームライナー小田原(新宿→小田原)
この3つのライナー列車が平日の朝に都心方面へ、夕方から深夜にかけて湘南方面へ運行されます。土休日は運行されません。
次に、各ライナー列車の詳細を見て行きましょう。
湘南ライナー
湘南ライナーは東京、品川と小田原を結ぶ列車で、朝に東京行き5本と品川行き1本の計6本、夕方から深夜にかけて小田原行き9本が運行されています。ただし、各列車によって停車駅や通るルートが異なるため、以下の表で各列車の停車駅とその時刻、使用車両を示して行きます。
号数(使用車両) | 2(185) | 4(185) | 6(215) | 8(215) | 10(185) | 12(185) |
小田原発 | 6:19 | 6:37 | 6:58 | 7:22 | 7:59 | 8:09 |
国府津発 | レ | レ | レ | 7:30 | レ | レ |
二宮発 | レ | レ | レ | 7:36 | レ | レ |
平塚発 | 6:40 | レ | レ | 7:46 | レ | 8:24 |
茅ヶ崎発 | 6:46 | 6:56 | 7:16 | 7:52 | 8:20 | 8:30 |
辻堂発 | 6:52 | レ | レ | レ | レ | 8:34 |
藤沢発 | 6:57 | 7:03 | 7:23 | 7:59 | 8:28 | 8:39 |
大船発 | 7:04 | レ | レ | レ | レ | 8:45 |
<経由路線> | 東(旅) | 東(貨) | 東(貨) | 東(旅) ↓平塚 東(貨) | 東(貨) | 東(旅) |
品川着 | 7:40 | 7:48 | 8:03 | 8:38 | 9:11 | 9:17 |
新橋着 | レ | − | 8:09 | 8:44 | レ | レ |
東京着 | 7:49 | − | 8:13 (総武) | 8:48 (総武) | 9:22 | 9:26 |
東(旅)→東海道旅客線
東(貨)→東海道貨物線
(総武)→総武線ホーム
乗車専用駅、降車専用駅
北行(品川、東京行き)の特徴として、貨物線を経由して品川、東京に向かう列車が多いことが特徴です。これは、朝ラッシュ時の東海道線北行(横浜方面)の本数がとてつもなく多く、旅客線に入る余裕がないのと、普通列車が多く途中駅で追い抜かしてもその前の普通列車に追いついてしまうためノロノロ運転を余儀無くされ、速達性の確保ができないからです。
そのため、貨物線を経由することによって速達性の向上を図っています。
もちろん、辻堂や大船といった駅もライナーの需要はあるため、全て旅客線を通るライナー列車も存在しますが、ラッシュのピークの前後に走るよう設定されています。
貨物線を走るためほとんどの駅はホームがなく、ライナー専用ホームのある茅ヶ崎と藤沢以外は通過扱いとなります。なお、8号に関しては平塚の茅ヶ崎寄りに貨物線への渡り線があるため、平塚までは旅客線を通り、平塚から渡り線を通って貨物線に転線します。
号数 (使用 車両) | 1 (215) | 3 (215) | 5 (185) | 7 (185) | 9 (215) | 11 (185) | 13 (185) | 15 (215) | 17 (185) |
東京発 | 18:30 | 19:00 | 19:30 | 20:00 | 20:30 | 21:00 | 21:30 | 22:30 | 23:30 |
品川発 | 18:40 | 19:10 | 19:40 | 20:10 | 20:40 | 21:10 | 21:40 | 22:40 | 23:40 |
<経由 路線> | 東(貨) | 東(旅) | 東(旅) | 東(旅) | 東(旅) | 東(旅) | 東(旅) | 東(旅) | 東(旅) |
大船着 | レ | 19:42 | 20:10 | 20:40 | 21:08 | 21:38 | 22:08 | 23:07 | 0:07 |
藤沢着 | 19:17 | 19:48 | 20:15 | 20:45 | 21:13 | 21:43 | 22:13 | 23:12 | 0:12 |
辻堂着 | レ | 19:52 | 20:19 | 20:49 | 21:17 | 21:47 | 22:17 | 23:16 | 0:16 |
茅ヶ崎着 | 19:24 | 19:57 | 20:23 | 20:54 | 21:21 | 21:50 | 22:21 | 23:20 | 0:20 |
平塚着 | レ | 20:02 | 20:28 | 20:59 | 21:26 | 21:55 | 22:26 | 23:25 | 0:25 |
二宮着 | レ | レ | レ | 21:07 | レ | レ | レ | レ | レ |
国府津着 | レ | 20:13 | 20:39 | 21:12 | 21:36 | 22:06 | 22:36 | 23:36 | 0:38 |
小田原着 | 19:43 | 20:21 | 20:45 | 21:19 | 21:43 | 22:12 | 22:43 | 23:43 | 0:45 |
東(旅)→東海道旅客線
東(貨)→東海道貨物線
乗車専用駅、自由乗降駅
南行(小田原行き)の特徴として、1号を除いた全ての列車が全て旅客線を経由しているところです。夕ラッシュ時間帯の東海道線はそこまで本数が多いわけではないため、ほとんどが旅客線のみを走行できるようになっています。
大船から先はライナー券なしで乗車できる!
また、南行の特権として、大船→小田原間はライナー券なしで乗車できる快速列車として誰でも利用できます。特に185系の場合、一般車両の普通車では体感できないリクライニングシートを利用することができるので、非常に乗り得な列車です。なお、大船からの発車案内は「快速列車」として案内されます。
おはようライナー新宿
おはようライナー新宿はその名の通り朝に小田原から新宿までを結ぶ列車です。3本運行されています。こちらも各列車によって停車駅や通るルートが異なるため、以下の表で各列車の停車駅とその時刻、使用車両を示して行きます。
号数(使用車両) | 22号(185) | 24号(215) | 26号(185) |
小田原発 | 6:25 | 7:09 | 7:41 |
国府津発 | レ | 7:15 | レ |
二宮発 | レ | 7:20 | レ |
平塚発 | レ | 7:32 | レ |
茅ヶ崎発 | 6:44 | 7:38 | 8:00 |
藤沢発 | 6:51 | 7:45 | 8:10 |
渋谷着 | 7:39 | 8:27 | 8:56 |
新宿着 | 7:45 | 8:33 | 9:02 |
乗車専用駅、降車専用駅
おはようライナー新宿は茅ヶ崎から先は全て東海道貨物線を経由して渋谷、新宿に向かいます。そのため、湘南ライナーが停車する辻堂と大船には停車しません。24号に関しては、湘南ライナー8号と同じで、平塚発車後は渡り線を通って貨物線に転線します。
ホームライナー小田原
ホームライナー小田原は夜間時間帯に新宿から小田原まで結ぶ列車です。2本運行されています。
号数(使用車両) | 21号(185) | 23号(185) |
新宿発 | 19:30 | 21:30 |
渋谷発 | 19:38 | 21:38 |
藤沢着 | 20:21 | 22:18 |
茅ヶ崎着 | 20:27 | 22:24 |
平塚着 | 20:34 | 22:30 |
二宮着 | 20:43 | 22:39 |
国府津着 | 20:49 | 22:43 |
小田原着 | 20:58 | 22:50 |
乗車専用駅、自由乗降駅
ホームライナー小田原はおはようライナー新宿同様、東海道貨物線を経由して藤沢、茅ヶ崎へと向かいますが、両列車とも平塚、二宮、国府津、小田原に停車するため、ホームのある旅客線に転線する必要があります。転線は茅ヶ崎発車後、平塚寄りにある渡り線を使って旅客線に転線します。
こちらも藤沢から先はライナー券なしで乗車可能!
湘南ライナーとは異なり大船駅に停車しませんが、藤沢駅から先はライナー券なしの乗り得列車となります。こちらも藤沢駅からは「快速列車」として案内されます。
ライナーに使用される列車を簡単に紹介
ここまで3つのライナーについて紹介してきましたが、ここでライナーに使用される185系と215系について解説します!
185系
185系は現在では少なくなりつつある国鉄型特急車両で、普通列車や快速列車、特急列車、そしてこのライナー列車など様々な用途で使用されるフレキシブルな列車です。JR東日本では唯一となった国鉄型特急「踊り子号」を始め、特急運用の間合いを兼ねて上記のライナー列車に用いられます。また、休暇期間中には東京〜大垣間を結ぶ臨時快速「ムーンライトながら号」にも使用されています。
特急にも使用されることから、全列車が回転式のリクライニングシートを搭載しており、快適に過ごすことができます。
215系
215系は当初東海道線の快速アクティー用として製造されました。先頭車を含む全ての車両が2階建てのハイデッカー車両(先頭車は2階部分のみ、1階部分はモーターを搭載)なのが特徴です。
ただし、快速アクティーで使用した際に、2ドアかつ扉の狭い構造から乗客がスムーズに乗降できず、また、ラッシュ時には詰め込みが効かないということで、通勤型車両としては機能せず、また、185系とは異なり普通車の座席が全車ボックスシートのため特急型車両としても使用できません。そのため、このようなライナー列車や、休日に中央線で運行される「ホリデー快速ビューやまなし号」にしか使用されず、特に平日の昼間は車庫で休んでいることから、鉄道ファンには「ニートレイン」の愛称(?)がつけられています。
ライナー列車が消える?車両の世代交代とJR東日本が進める全車指定席特急化
さて、ここまでライナー列車について詳しく説明していきましたが、今はバリバリ走っているライナー列車も、そろそろ消えるんじゃないかという噂があります。一体なぜそのようなことが考えられているのでしょうか?その理由として、以下のことが挙げられます。
- ライナーに使われる車両が置き換えの時期に迫っているから
- ライナー列車の全車指定席特急化が進んでいるから
ライナーに使われる車両が置き換えの時期に迫っているから
先述したライナーの使用車両は185系と215系の2つです。この2車両の製造時期はそれぞれ、1981-82年と1992-93年であり、3、40年近く使用されています。そのため、そろそろ置き換えられてもおかしくない時期であると思われます。
185系に関しては、今年3月のダイヤ改正で、本職である特急「踊り子号」の運用の一部が、中央東線の特急「あずさ号」および「かいじ号」で使用されたE257系に置き換わりました。今後、E257系への踊り子号転用車両が増え、185系を置き換える可能性が高いです。
また、215系に関してはライナー列車でしかほぼ使用できないニートレインのため、使用効率の悪さから廃車を進める可能性も考えられます(あくまでも予想ではありますが)。
では置き換えるE257系がライナー列車の運用を引き継げば良いという考えに至りますが、E257系に置き換えた後ライナー列車を担当しない可能性があります。その理由が次のことです。
ライナー列車の全車指定席特急化が進んでいるから
JR東日本の特急列車では、現在新車に置き換わると同時に全車指定席化を進めるようになっています。それと同時に多数あったライナー列車が次々と廃止され、一部は特急列車に格上げされました。
その例として中央東線を挙げて説明します。
これまで中央東線の特急は「スーパーあずさ号」をE351系で、「あずさ号」と「かいじ号」をE257系で運行し、平日のラッシュ時間帯にはE257系をメインに八王子や青梅と都心を結ぶ「中央ライナー」と「青梅ライナー」の2つのライナー列車が運行されていました。
しかし、中央東線に新型車両E353系が導入されるのをきっかけに、E351系は引退、E257系は踊り子号に転用、スーパーあずさ号はあずさ号に統合されるなど大きな変化がありました。その影響はライナー列車にも影響を与え、E353系の導入と共に特急列車の全車指定化が行われると同時に、ライナー列車を全車指定席の特急「はちおうじ号」と「おうめ号」に格上げされ、ライナー列車の役目を終えることとなりました。
この他にも総武線の「ホームライナー千葉」や宇都宮線の「ホームライナー古河」、高崎線の「ホームライナー鴻巣」というライナー列車も全てなくなり、JR東日本のライナー列車は東海道線系統のこの3つのライナーのみです。また、常磐線特急の「ひたち号」や「ときわ号」や、高崎線の「スワローあかぎ号」、空港特急「成田エクスプレス号」も座席の全車指定化が進んでいます。
今年3月にデビューしたE257系の「踊り子号」には自由席が設定されており、新型の車両(実際は中古の車両)だから全車指定化するということではないですが、今後の特急やライナーの状況によっては、特急の全車指定化および、ライナー列車の特急化の可能性はなくもないのかなと考えられます。
私的には、これからもライナー列車を運行して欲しいと思います
このように、ライナー列車が続々なくなっていく中で、もしかしたらこのライナー列車もいずれは無くなるのではないかと感じるところもありますが、僕自身はまだまだライナー列車を運行してほしいと思っています。
その理由として、まずはライナー料金が特急料金よりも安いことです。ライナー料金は普通車の場合全区間で510円なのに対し、普通車指定席の場合50kmまででも1050円かかってしまいます(ただし時期によって価格に変動あり)。
座って快適に通勤やお出かけをしたいのに、ライナー料金と特急料金ではこれだけの差が出てしまいます。上野東京ラインや湘南新宿ラインの列車にはグリーン車自由席を使えば良いということもありますが、50kmまでなら平日だと780円、土休日でも580円とライナー料金より高くなってしまう他、普通列車や快速列車でしか使われないため所要時間も多くかかってしまいます。
このことを考えると、安くて早いライナー列車の存在は、都心と湘南地区を行き来する利用者にとっては非常に貴重な存在ですし、需要も大きい分安易に廃止はできないと思います。
また、大船→小田原間はライナー券なしで乗車できるため、一部利用者は乗車券のみでリクライニングシートに座れることも可能です。これだけ乗り得な列車に乗れるのも利用者にとって大きいことだと思います。
また、踊り子号にE257系が導入された分185系はそろそろ置き換えられてもおかしくはありませんが、E257系は中央線特急時代に「中央ライナー」や「青梅ライナー」に使用されたこともあり、仕様は変わってもライナー列車として十分使用することができると考えられます。
215系に関しても登場から30年弱経っているベテランですが、2回建て車両としてお客さんを多く運べる観点から今後もライナー列車としては重宝される車両なのと、ライナー列車以外には使用されないことから、まだまだ活躍できるのではないかと考えられます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回はJR東日本の首都圏で唯一残るライナー列車と今後のライナー列車について紹介しました。
都心と湘南地区を快適に結ぶ通勤ライナーで、一部区間は乗車券のみで乗車できる乗り得な列車です。乗る機会があれば是非乗りに行ってみてください!
今回はここまでとなります!ご覧いただきありがとうございました!
ライナー列車をまとめた動画はこちら!
(2021.2.7更新)ライナーの消滅が確定…
今度のダイヤ改正において、正式にライナーが廃止されることとなりました…
詳細はこちらの記事で紹介していますので、ぜひご覧ください。
ライナー列車が通過する、横浜駅通過動画はこちらから!