【2020年プロ野球】今年のゴールデングラブ賞の受賞者発表とタイトル選出について思うこと

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皆様、こんにちは。

チームネットラボのU5swです。

先日、今年のゴールデングラブ賞が発表されましたので、振り返って行こうと思います。

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まず、私が選出した選手を振り返る

セリーグ

  • 投手:菅野智之投手(読売ジャイアンツ)
  • 捕手:梅野隆太郎選手(阪神タイガース)
  • 一塁手:ダヤン・ビシエド選手(中日ドラゴンズ)
  • 二塁手:菊池涼介選手(広島東洋カープ)
  • 三塁手:高橋周平選手(中日ドラゴンズ)
  • 遊撃手:坂本勇人選手(読売ジャイアンツ)
  • 外野手1:青木宣親選手(東京ヤクルトスワローズ)
  • 外野手2:鈴木誠也選手(広島東洋カープ)
  • 外野手3:近本光司選手(阪神タイガース)

パリーグ

  • 投手:千賀滉大投手(福岡ソフトバンクホークス)
  • 捕手:甲斐拓也選手(福岡ソフトバンクホークス)
  • 一塁手:井上晴哉選手(千葉ロッテマリーンズ)
  • 二塁手:外崎修汰選手(埼玉西武ライオンズ)
  • 三塁手:鈴木大地選手(東北楽天ゴールデンイーグルス)
  • 遊撃手:源田壮亮選手(埼玉西武ライオンズ)
  • 外野手1:大田泰示選手(北海道日本ハムファイターズ)
  • 外野手2:西川遥輝選手(北海道日本ハムファイターズ)
  • 外野手3:柳田悠岐選手(福岡ソフトバンクホークス)

選出した理由など詳細はこちらからどうぞ!

けっかはっぴょー!!!

実際の結果はこうなりました。

セリーグ

  • 投手:菅野智之投手(読売ジャイアンツ)
  • 捕手:梅野隆太郎選手(阪神タイガース)
  • 一塁手:ダヤン・ビシエド選手(中日ドラゴンズ)
  • 二塁手:菊池涼介選手(広島東洋カープ)
  • 三塁手:高橋周平選手(中日ドラゴンズ)
  • 遊撃手:坂本勇人選手(読売ジャイアンツ)
  • 外野手1:青木宣親選手(東京ヤクルトスワローズ)
  • 外野手2:鈴木誠也選手(広島東洋カープ)
  • 外野手3:大島洋平選手(中日ドラゴンズ)

パリーグ

  • 投手:千賀滉大投手(福岡ソフトバンクホークス)
  • 捕手:甲斐拓也選手(福岡ソフトバンクホークス)
  • 一塁手:中田翔選手(北海道日本ハムファイターズ)
  • 一塁手:中村晃選手(福岡ソフトバンクホークス)
  • 二塁手:外崎修汰選手(埼玉西武ライオンズ)
  • 三塁手:鈴木大地選手(東北楽天ゴールデンイーグルス)
  • 遊撃手:源田壮亮選手(埼玉西武ライオンズ)
  • 外野手1:大田泰示選手(北海道日本ハムファイターズ)
  • 外野手2:西川遥輝選手(北海道日本ハムファイターズ)
  • 外野手3:柳田悠岐選手(福岡ソフトバンクホークス)

パリーグ一塁手は同票のためW受賞。

16/18を的中!W受賞は想像の斜め上すぎる結果

この結果から、セパ共に8/9の受賞者を的中させることが出来ました。セリーグの外野が大島選手、パリーグの一塁が中田選手と中村選手である以外は当てることができました(単なる自己満にすぎませんが…)。

大島選手に関しては近本選手の対抗として記事でも紹介していましたし、ゴールデングラブ賞の実績も豊富な選手なので選出する可能性はあるなと踏んでいました。ただし、UZRや捕殺数から近本選手を選んだということです。

1番驚いたのがパリーグの一塁手。過去に同票でW受賞した事例を聞いたことがないため、これに関しては誰も予測できなかったでしょう。

前の記事でも述べたとおり、今季パリーグの一塁手で規定に到達していたのは井上選手のみだったので、ほとんどの方は井上選手を有力視していました。ただし、過去に規定に到達していなくても全試合の半分以上出ていることでGG賞を獲得した選手もいたため、もしかしたら中田選手も可能性があると述べていました。

しかし、守備の上手い一塁手として中村選手を対抗に入れていなかったのは私のミスでもあります。中村選手は一塁と外野どちらも守る選手であり、どちらも守備をしっかりこなす選手として評価も高い選手です。今季は一塁60試合、外野29試合出場で、指名打者での出場もありました。ポジションが定まらなかったため受賞は厳しいという予想でしたが、全120試合の内半分出場していたこともあり、受賞の対象となっていました。

今回、中田選手と中村選手が77票で並び、2票差で井上選手という、3選手のデッドヒートの末、W受賞という激レアな場面が誕生しました。記者投票で同率首位でW受賞は今後実現が考えにくいでしょうね…

ちなみに比較用として井上選手、中田選手、中村選手の守備成績はこちら↓

  • 井上→守備率.995,107試合,刺殺893,捕殺69,失策5,併殺70
  • 中田→守備率.989,63試合,刺殺497,捕殺46,失策6,併殺36
  • 中村→守備率.992,60試合,刺殺452,捕殺32,失策4,併殺45

これを見ると井上選手も見劣りしない成績ではありますが、惜しくも受賞に至らずという結果でした。

選出方法に問題も?データの重要性と記者投票の課題

GG賞に限らず、ベストナインや新人王でも毎年よくあることですが、「なぜこの選手が選出されるのか?」や「なぜこんなに票数が少ないor多いのか?」といった疑問や不満、文句がよく出てしまいます。その要因を個人的に挙げてみました。

  • ポジションによってダントツになったり接戦になったりする以上有利不利が起こってしまう

プロ野球においては、毎年それぞれのポジションにおいて、特定の選手だけレギュラーに定着してダントツの成績が出ることもあれば、レギュラーが多く出てそれぞれがいい成績を出していることもあります。そのため、前者であればこの選手で文句なしと言い切れるのに対し、後者だとどうしても票が分かれてしまいます。これに関しては仕方ない部分もありますし、投票者それぞれの印象や何を重視しているかによってどうしても偏りが生まれてしまいます。全員が全員100%納得できるような選出を全てのポジションで実現するかと言われると厳しい部分もあるということです。

  • セイバーメトリクスのデータが浸透したことで選出に対する厳しい見方が生まれてきた

近年野球のあらゆる部分において、それぞれの選手やチームに対する能力を数値化して評価する「データ重視」の視点が増えてきたように思います。特にGG賞では、そのポジションにおいて平均的な選手に比べてどれだけ失点を減らしたかor増やしたかを示す「UZR」というセイバーメトリクスの指標に対する重視度が大きくなっています。もちろん数値が高いほど守備で大きく貢献しているということなので、選出の際は大きく重要視されます。

しかし、毎年GG賞はUZRがトップの選手が必ず選出されるのかと言われるとそうではありません。近年はUZRがトップの選手が選出されやすい傾向にありますが、中には大きなマイナスを叩き出しているのに選出されている選手もいれば、トップの選手がなぜか選出されないといった事象が毎年起こっています。そうなると毎度毎度、「UZR無視か!」「トップなのに選ばれなくて可哀想!」という不満や文句が各所から出てしまいます。

今年で言えば特に日本ハムの西川選手の選出にヘイトが多かったのが個人的に気になったところです。西川選手の今季のUZRは-12.4と大きなマイナスが出てしまっているのにも関わらず今回選出されています。私も予想の際にはそこを懸念しましたが、過去のGG賞でもUZR大幅マイナスの選手が選ばれていたこともあるのと、俊足を活かした広い守備範囲でチームを救っているのが刺殺数に現れていたので予想しました。

もちろん、UZRをしっかり考慮した上で予想するよう努めてはいますが、皆さんに意識していただきたいのが、

GG賞の選出にUZRだけを考慮すればいいということではない

ということです。もちろん数値が高い選手を優先すべきなのは事実ですが、UZR以外にも守備のデータがたくさんありますし、守備での大きな記録というものもついてきます。それらを総合的に判断した上でGG賞は選出されるべきだと考えています。

例えばセリーグの二塁手は8年連続で広島の菊池選手が獲得しました。しかし、UZRで見ると実は巨人の吉川選手の方が数値が高いということが明らかになっています(菊池+6.3,吉川+10.6)。では吉川選手がGG賞で選出されるべきなのかと言われるとそうとは言い切れません。その大きな理由が、

菊池選手が規定到達ながら1度も失策をせずにシーズンを完走した

からです。過去のNPBの二塁手でも無失策で完走した選手がいなかったため、前人未到の大記録であることがわかります。これなら菊池選手が選ばれることに文句はありませんよね?実際、フジテレビ系列のスポーツニュース番組「S-PARK」の企画にある「プロ野球1/100アンケート」の「守備部門」でも、今年は菊池選手がトップであることから、実際のプロ野球選手もしっかり評価しているということがわかります。

このように、セイバーメトリクスといったある1つの守備指標やデータから判断するのではなく、守備成績等のあらゆる結果から総合的に判断することが求められます。ベストナインや新人王、MVPといったタイトルに関しても同じことが言えます。多角的な視点から物事を判断していくことが求められます。

  • とはいえ、選出に問題がないかと言われるとそうとは言い切れない

ここまで、選出に関して総合的に判断することが大事だと述べましたが、じゃあ近年のGG賞の選出に問題がないかと言われるとそうとも言い切れないのが現実です。中には「GG賞の価値が薄れている」といった厳しい見解も現れています。

最近でいえば、2019年のセリーグの遊撃手部門において、総合的に考えても中日の京田選手が選ばれておかしくなかったのにも関わらず選ばれたのは巨人の坂本選手だったことに対して沢山の意見や不満がありました。

京田選手と坂本選手の守備成績はこちら↓

  • 京田→守備率.985,試合139,刺殺202,捕殺384,失策9,併殺78,UZR+17.5
  • 坂本→守備率.979,試合141,刺殺199,捕殺354,失策12,併殺74,UZR-3.0

これを見ると、トータル的に見ても京田選手が完全に優位に立っているのにも関わらず坂本選手が選出されたのには私も問題視しました。別に坂本選手が守備下手とは言いませんが、京田選手の方が上手いというのが総合的に示されていたにも関わらずこういった結果になってしまったことを残念に思いました。

京田選手が選ばれなかった理由として、「打撃で結果を出さなかったから」という意見もあり、京田選手自身もそのようにおっしゃっていましたが、

いや待て。GG賞に打撃成績を加味するのは違うんじゃないか?

と誰もが思うはずです。これじゃあ何のためにベストナインという賞があるのかわからないですし(ベストナインなら坂本選手で文句なし)、打撃が良いから守備が上手い「印象」だけで選出した感が否めません(もちろん印象も大事ではありますが…)。GG賞とはなんぞや…?と。

この他にも不可解な選出は幾度とありましたし、こういった謎の選出に関しては

  • 記者投票と投票システムの問題点

そして最近、選考に対する問題として1番指摘されているのが、「投票の対象者」です。GG賞をはじめベストナインや新人王というタイトルは、プロ野球のニュースや情報を取り扱う記者によって決められています。しかし、その記者による投票が選出に対する不公平さや偏りを生んでしまっていることが問題となっています。特に人気球団や人気選手には票が集まりやすく、そうじゃない選手には結果を残したのにも関わらず票が集まりにくく受賞を逃してしまうという事態が起こってしまっています。

また、そこまで活躍していない選手になぜか票を入れていることが問題視されています。その記者がある選手に思い入れがあるという理由もわからなくないですが、中にはふざけたいのか単に目立ちたいだけなのかといった投票も見られます。今年で言えば、ベストナインにおいて、今季戦力外となった巨人の吉川大幾選手に3票入っていたり(吉川尚輝選手と間違えた可能性もあるが…)、同じく巨人のモタ選手に1票入っていたりということが問題視されました。

これは、記者投票が「匿名」で入れられるシステムに問題があると考えられます。名前がわからないからふざけて投票してもバレない、その考えでこういった不可解な投票が後を絶たないことがわかります。周りからはどこの記者であるか、誰が投票したのかを開示する声が多く挙がっています。個人的にも、公正な投票を行うためにも、投票者の名前と所属を明らかにすべきだと考えています。

さらに、記者投票自体を廃止し、プロ野球のOBや有識者、さらには選手間の投票に変えるべきだという意見もあります。確かに野球の取材を行う記者よりも実際に野球を経験してきた方に投票権を持たせる方が投票に説得力があり、より公正な結果が得られるのではないかという意見も出てきています。もちろん有識者や選手の中にも好みや偏りはあるので100%不公平さは解消できませんが、おふざけ投票といった問題はなくすことができるのかなと思います。

今後投票の形がすぐに大きく変わることはないと思いますが、せっかく死に物狂いで掴み取ったタイトルの価値を低くしないよう対策、改善を行っていって欲しいと思います。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回はGG賞の結果と、タイトル選出について思うことを紹介しました。

まずは、今回タイトルを獲得された選手へ、おめでとうございます!

これからもプロ野球の全選手がタイトル獲得に向けて戦い、今年よりも更に白熱したタイトル争いを期待しています。そして、タイトルの価値が素晴らしいものであり続けることを願います。

今回はここまでとなります。ご覧いただきましてありがとうございました!

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